メディアミックス作品の先駆けと名高い、広井王子原作「天外魔境シリーズ」が30周年という事でファミ通.comにて、氏のロングインタビューが掲載中の模様。
個人的に天外といえば殿様商売的な名作 天外2卍丸より、スーファミの「天外魔境ZERO」がプレイバランス他、サクサク楽しめたので思い入れあるのですが、
広井王子氏の同作のインタビューが掲載されると結構ZEROの名前が挙がるのでファンとしてはとてもうれしい所。
以下ファミ通.comよりインタビュー記事転載
時計内蔵に挑んだ『天外魔境ZERO』
――その『天外魔境 ZIRIA』がヒットして、広井さんはゲームクリエイターとして多くのファンの期待を集める存在となられました。その後は『サクラ大戦』など、ヒットを連発していくことになりますが……。
『サクラ大戦』のお話の前に、ちょっと『天外魔境ZERO』(※)という作品に触れていいですか? あのゲームでは、ROMの中に時計が内蔵されていたのですが、これは当時はたぶんほかになかったんじゃないかな。だから値段も高くて、9000円くらいしました。
※『天外魔境ZERO』……1995年にハドソン(当時)より発売されたスーパーファミコン用ソフト。定価は9980円[税抜]だった。
――懐かしい! ファミ通でもたくさん記事にさせていただきました。
時計は出荷時にオンになって、もとには戻せません。ゲームの時間は、現実の24時間に対応していますから、夜中の2時ならゲームも夜中の2時で、ちょっとエッチなドラマが始まったりもします。子供は見ない時間だろうということで(笑)。そういうことを、全部仕込んでいったんですね。これは、『どうぶつの森』のようなゲームの原型と言えるのではないかと思います。
――人々の生活というか、ライフスタイルにリンクするというのは、いまのスマホ向けアプリでは一般的になりましたが、それを20年以上も前に考え、実現されていたんですね。
あの作品では、ライフスタイルとともにゲームが進行していくということを、どうしてもやりたかったんです。どうしたらいいかハドソンさんに相談したら、「ROMカセットに時計を仕込もう」と考えてくれて。ハドソンさんの、大英断だったと思います。
この手のインタビューだと大体、売り上げやネームブランド等、商業的に成功したタイトルを挙げて、
無難に切り上げるってケースも見られるんですが、キャリア的にも円熟の域に入ったのか、周囲の目より自身のクリエイティブ感を優先した竹を縦にまっすぐ割ったような発言の数々は、流石アニメ、食玩と様々な業界を渡り歩いてきた猛者そのもの。
タイトルとしては天外魔境を冠しているものの、記事中では「テニプリ」「ワンピース」等の実写化、幅広い作品のメディアミックスに触れている点についても見逃せません。
2.5次元は戦国時代に!?
昨今では、ゲームやアニメを題材にした、いわゆる“2.5次元舞台”が人気で、大きなビジネスになりつつあります。広井さんは、現状をどんなふうにご覧になっていますか?
『サクラ大戦』の最初のころの舞台は、マーベラスの中山さん(元・マーベラス代表取締役会長兼社長CEOの中山晴喜氏。当時セガに在籍)が担当でした。中山さんは、舞台について、ある問題点を発見した人なんですよ。それは、“役者を固定してしまうとたいへん”ということ。ずっと同じ役者が演じていると、いつかは終わらなければいけなくなりますし、そこで役者を代えるのはたいへんです。そこを解決して、いつでも代われるような作りにした『テニスの王子様』のミュージカルは、中山さんの英断です。
――いまは、若い世代の方はふつうにイベントにも行き、声優さんのバッジも付けて遊んでいます。それは広井さんから見ると、なるべくしてなったという感じなんでしょうか?
広井自然とそうなった、とは思いません。2.5次元の舞台を手掛ける人たちも、認知が広がるまでには途方もない苦労をなさっているでしょう。紅白出演を果たした『ラブライブ』など、やり切った人たちは本当にすごいと思います。ただ、この先に問題はあると思いますね。
たとえば、どんな部分でしょうか?
齢60を過ぎてなお精力的に活動し続けるマルチゲームクリエイター広井王子氏、現在は人生を賭してプレイする様なゲームを制作してみたいと意気揚々と語られていました。掲載した以外にもPCエンジン黎明期のコボれ話やサターン参入時の業界を取り巻き状況等、当時を知るゲームファンには読み応えのある内容になっていますので興味のある方は是非リンク先にて記事をご一読ください。